あなたも呼びたくなる?ベンガー様と。
こちらも前回に続きドイツで実際にあった心理実験です。
THE WAVE ウェイブ
教師ベンガーは、独裁制をテーマに授業を行うが、興味のない生徒たちに困っていた。
いまさらナチス政権をテーマにしても悪い人たちという結果論で終わってします。
そこで、生徒達に実際に体感してもらうためにベンガーは授業の時だけ「ベンガー様」と呼ぶように生徒達に命令する。
さらに敬礼や発言がある時は、必ず手を挙げ立って発言すること。
またみな白い服に統一させる。
先生はあくまでも授業の一貫として教えているだけだったが、夢も希望もない悩める生徒達は「自分は1人しゃない、ウェイブではみな平等なんだ」と自己暗示にかかっていく。
ここでキーポイントになるのが、夢がある生徒はウェイブという組織から離れていきます。
街中にウェイブのロゴをペイントしたり、シールを貼ったりとまるでギャングの真似事をしていくのに先生は呆れて、ついにはウェイブ解散を生徒達に告げます。
しかし、ウェイブにどっぷりと浸かった生徒は人を殺してしまうことに。そしてその主導者がベンガー先生ということで捕まってしまうことに。
一見何気ない教えが、ここまで孤独な生徒を変えてしまうのか。と日本人の私には驚きです。
重ねあわせるならば宗教に似ているかと。
前回ご紹介した「エクスペリメント」よりかは、ハラハラドキドキしません。
この作品でゆっくりと数時間の授業と彼らの日常を表現していますので、途中で飽きるかもしれません。オススメできる作品ではありますが、個人的にはそこまで好きではないです。